第25章 【虎杖悠仁】ときめき
「夏油先輩のコードネーム前髪なんすか?」
「違う。あいつが勝手に呼びやがった。あとで殺す」
「……」
一足先に羽田空港へと向かっていた彼等。
伏黒は夏油のコードネームに突っ込んでしまった。
「現地で合流するとは言ったものの、大丈夫ですかね。もうすぐ搭乗ゲート開きますよね」
「うん、でも大丈夫。あっちもあっちで刺客送り込んでるから」
今回の作戦は全員協力のもと成り立っている。
ここまで順調に運んだのはみんな虎杖との恋を応援していて、みんな二人の事が好きだからだ。
そのことを二人は知らなくていい。
なぜならこれは二人の事を応援し隊のエゴなのだから。
羽田空港の椅子に座って搭乗ゲートが開くのを待つは、キャリーケースにつけたぬいぐるみのキーホルダーを眺めている。
寂しくならないようにと、持ってきたけど逆効果だったかなと考えてしまい、首のネックレスに手を掛けた。
でも、置いていくと言う選択肢もできない。
後悔はしたくない。
しないために持ってきた。
そんな彼女の前に二つの影が現れる。
「美々子、菜々子」
「見送り来たよ」
「これ東京土産」
美々子と菜々子は手にした袋をに渡す。
その中には東京名物である東京バナナや東京ジャンドゥーヤチョコパイなどのたくさんのお菓子が入っていた。