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【雑多】be there【短編集】

第25章 【虎杖悠仁】ときめき








「え、何突然。大丈夫か?」
「ものすごぉくお腹が痛いわ~虎杖~。お医者さんを、お医者さんを~~~~~~」
「俺にも呼んで~。あ、でも動物病院はダメだぞ。俺パンダだけどパンダじゃないから。人語を理解できる動物ってバレたら実験送りにされちゃうから。でも普通の病院もダメだぞ。ほら俺、人間じゃなくてパンダだから」
「え⁉じゃあどこの病院行けばいいんだよ」
「品川の近くにでかい病院があるんだけど、家入先輩の知り合いのお医者さんいるらしいから、連れてきて虎杖」
「え⁉連れて来るの⁉救急車呼べばいいじゃん。つか、なんか元気じゃね?」
「「うわああああっ!!立てないくらい痛い~~~!!」」
「えええ⁉」

じたばたと床でもがく二人に、虎杖はスマホを取り出し救急車を呼ぼうとした。
が、瞬時にスマホは廊下の奥の奥まで吹き飛ばされた。

「真希、先輩……?」
「悪ぃ悠仁。こいつら私が見ておくから医者、連れてきてくんね?」
「え……あ、はい」
「校門前にタクシー止めてあっからよ、それに乗っていけ」
「え、だったら二人が乗れば……」
「パンダを乗せるわけにいかないだろ?」
「そっすね……。行ってきやす」
「ダッシュ!!」
「ウィッス!!」

50m3秒の記録を持つ虎杖は廊下をものすごい速さで駆け抜けた。

「もういいぞ」
「ふぅ。一芝居うつのも大変ね」
「世話の焼ける男だ、まったく」

姿が見えなくなったころを見計らい真希は二人に声をかける。
釘崎はスマホを取り出し電話を掛けた。

「オレンジよりホワイト、オレンジよりホワイト」
「は~い、こちらホワイト」
「作戦その1成功!!あとは任せたわよ、どうぞ!!」
「了解~。俺に任せといて、どうぞ」

電話を切る釘崎は、自分を見つめる視線に気が付く。

「なんですか」
「そのオレンジとかホワイトって何?」
「雰囲気です」

きっぱりと断言する釘崎に二人は「へぇ」と答えた。





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