第25章 【虎杖悠仁】ときめき
それから数か月後。
「ブラックよりオレンジ。ブラックよりオレンジ」
「こちらオレンジ。どうぞ」
「計画通り執行するように。準備はいいか?」
「こちら準備良し!!どうぞ!!」
「ぬかるんじゃないぞ」
「了解、どうぞ!!」
釘崎は電話を切り、一呼吸置いた後歩き始める。
彼等が通う高専高校は寮が完備されている。
そこの男子寮の一室に虎杖は住んでいた。
ずんずんと大股で歩く釘崎とパンダ。
虎杖の部屋へと向かう彼らの顔つきは人でも殺すのかと言わんばかりの表情だった。
「いーたーどーりーくーん!!」
「ゆーじー!!おきなさぁーい!!」
釘崎とパンダは扉の前で虎杖の名前を大声で呼んだ。
ガチャリと音がして開いた扉の向こうでは、眠たそうに目をこする虎杖の姿が。
「なんだよ~こんな朝っぱらから、うるせえな~」
「ああっ!!痛い!!お腹がものすごく痛い~!!ああ!!痛い~」
「俺もなんかお腹が痛くなってきちゃったぞ~!!」
釘崎とパンダは虎杖の前でお腹を抑え床に倒れ込んだ。