第25章 【虎杖悠仁】ときめき
カラオケが終わり、彼らは店を出る。
ガラガラに枯れた喉とゴリゴリに削られた体力で、みんな瀕死の状態だった。
「じゃあ、気を付けてね」
「おい、虎杖。送り狼になるんじゃねえぞ」
「いやいや、逆だろ。悠仁、男なら送り狼くらいなって見せろ!!」
酒でも入っているんじゃないかと疑うレベルで出来上がってる面々。
伏黒と七海に至っては電池が切れたかのように死んでいた。
それを釘崎と灰原が支えている光景にはくすりと笑う。
それぞれ別れて、虎杖とは家へと戻る。
本当は美々子と菜々子とも同じ家の方向ではあったが、虎杖と二人きりにするために、今日は夏油の家に泊まると言い出した。
虎杖も家の方向は逆ではあったが、一人で帰る彼女の事が心配であったのと、二人きりになりたいという心境があり送り届けると言う任務に手を挙げた。
遠ざかる二人の背中を見送りながら、残された面子は思う。
早くくっつけ、と。
「明日、どういう報告がくるか楽しみだな」
「あんまり虎杖をいじめてやるなよ、五条」
「じゃあ私たちも帰ろうか」
夏油の言葉に皆頷き、それぞれの家路へと着いた。