第25章 【虎杖悠仁】ときめき
その時、夏油のスマホが音を立てて鳴った。
スマホを開けばラインの通知が。
相手は従妹の菜々子からだった。
【今年の誕生日は大勢で祝おうと真希さんの提案】
色々突っ込みたいことがあったが、詳しいことは後から聞き出せばいいと踏んだ夏油はすぐさま「OK」と返信する。
「悠仁」
「なに、夏油先輩」
「今年も二人で誕生日を祝うのかい?」
「え、う~ん……どうだろう。まだそういう約束はしてねえけど、たぶん二人で祝うと思う」
「わぁ、デートだ!!」
「灰原、静かに」
七海は咄嗟に灰原の口を塞いだ。
これ以上能天気な彼が、口を滑らせないために。
「もし悠仁が嫌じゃなかったら、大勢で誕生日を祝うとか、どう?」
「え……?」
「初対面で誕生日を祝われても困るでしょう」
「だから、その日一日みんなで遊べばいいでしょ」
伏黒の言う事にぴしゃりと夏油は返す。
「傑~何考えてんの?」
「何も」
「ん~、ちょっと聞いてみる」
虎杖はスマホを出して、にラインを送る。
数秒後、「いいよ」と返信が来たことで、虎杖はそのことを告げれば、なぜか五条と灰原が一番はしゃいでいた。
もやっとする心の内を悟られないように、虎杖は笑みを零した。