第25章 【虎杖悠仁】ときめき
「五条先輩いつになく荒れてんね。どうしたの?」
「気にしなくていい。五条先輩、お前に彼女がいるって事が気に食わないだけだから」
「あと、彼女に振られたばっかりって言ってましたもんね!!」
「灰原……」
悪気なく爆弾発言を投下した灰原に視線を集中する。
その横ではむすっと唇を尖らせる五条の姿が。
また振られたのか、と虎杖は思う。
なぜこんなにイケメンな男が一ヶ月もしないうちに毎回毎回振られるのか、虎杖はよくわかっていないが、虎杖以外の連中はその理由を十分に理解しているため、振られた男を前にしても慰める言葉一つかけたりしない。
「悟のことはどうでもいいよ」
「よくない」
「今は悠仁のことだ」
「よくねえっつってんだろ」
「あとで慰める会開きましょう!!」
「灰原、君も少し黙っててくれるかな」
「え?」
「カオス……」
「帰りたい」
まとまりのない話は一生まとまることもなく、伏黒と七海はこの場所からどう脱出しようかと頭を悩ませる。