第25章 【虎杖悠仁】ときめき
同じころ。
放課後の教室で男子生徒数名が恋バナを開いていた。
その中心はもちろん虎杖ではあるが。
「珍しいですね、七海先輩が恋バナに加わるなんて」
「それを言うなら伏黒君もでしょう。あなた、こういう話に興味ないと思っていましたが」
「興味ないっスよ、でも五条先輩が……」
「私も灰原に無理やりですよ……」
「おいそこの二人。ため息なんて吐くんじゃねえよ。深刻な問題なんだから」
机に脚を乗っけて、椅子をグラグラと揺らす行儀の悪い五条を睨む二人。
お前にだけは言われたくないと言う文句が心の中でシンクロする。
恋バナといっても大したものではなく、の誕生日が近いため何をあげたらいいのかという相談だった。
虎杖は最初に伏黒に聞いたが、伏黒はそういうことに関してとても疎い。
伏黒は従妹のいる夏油に相談し、近くにいた五条が面白がり七海に電話をし、その電話の内容をたまたま聞いていた灰原が興味をもち、結果放課後の教室に男子生徒が集まった、というわけだ。
「去年は100円で取ったぬいぐるみだろぉ~?」
「五条さん、金額じゃないんですよ、気持ちが大事なんです」
「ん~、俺にはさっぱりわかんない」
「でしょうね」
「悟、少し黙っててくれるかな」
五条がいることで話がややこしくなりそうだと思った夏油は五条に釘をさす。
しかし、五条は根本的に性格が腐っているためそんな釘一つで黙るはずもない。