第25章 【虎杖悠仁】ときめき
「あ、そうだ」
菜々子は何かを思い出し、スクールバックの中から小さな箱を取り出しそれをに渡した。
彼女曰く、誕生日プレゼント。
「え⁉誕生日なの⁉」
「今日じゃないけど、もう少ししたら……」
「虎杖と一緒に過ごすのか?」
「まだそういう約束はしてませんけど、たぶん……」
「ふーん、デートだ」
くすくす笑う家入に馨は大否定するも、この場にいる全員は「デートだろ」という満場一致の感想を抱いている。
そんな時、真希の頭にピコンと電球の明かりが点いた。
「せっかく友達になれたんだ。今年は盛大に祝おうぜ」
彼女の提案に、真っ先に理解を示したのは双子の美々子と菜々子。
素早くスマホを取り出し、素早いタップで夏油にラインを送った。
そして数秒後、「OK」というスタンプが送られてきた。
「!!」
「は、はい!!」
「ときめけ!!」
いきなりキャラの変わった菜々子にたじろぎ、何がなんだかわからないは、恐怖のあまりにただ頷くしかなかった。