第25章 【虎杖悠仁】ときめき
「え、じゃあは元々地元の高校に行く予定だったんだ」
「そうだよ。でも転勤ってなったらどうしたって親に着いていくしかないし」
「そりゃそうだ」
「でもすげえな。虎杖そのこと知らなかったんだろ」
真希はホットコーヒーを飲みながら足を組んだ。
虎杖とは元々宮城県の中学校に通っていた。
しかし親の転勤が決まったは中学の卒業と同時に東京へと引っ込すことになった。
そのことを彼女は誰にも言わずにいたのだが、そんな彼女の元へ虎杖がやってきて「東京の高校を受験する」と言ってきたのだ。
どきりと心臓が跳ねたは、担任の先生が転校することを虎杖に話したのかと思ったが、どうやらそうではなかった
かれは純粋に東京にいきたいがためだけに受験をしたらしい。
「そんな理由で東京に来るとは思わなかったから、びっくりして」
「あっはは、虎杖らしいね」
「で、美々子と菜々子は夏油先輩の従妹で、二人の様子を逐一連絡し合っていたと」
去年の誕生日に虎杖がぬいぐるみのキーホルダーをあげたことをなぜ夏油が知っていたのか。
今朝の虎杖と五条のやり取りを思い出して、釘崎は一人納得していた。