第24章 【呪術廻戦】DOOR【2】
「だからこそだろ」
「え?」
「こういう時にみんなとバカ騒ぎして、昔に戻ったみたいに骨休みでもなんでもすればいいだろ」
伏黒の言葉に、虎杖は少し俯いた。
それは正論であり曲論だ。
追加で注文したまぐろのたたきと蛸のから揚げ、きゅうりの塩昆布和えを食べる伏黒に、虎杖は静かに口を開いた。
「俺さ、今日伏黒達に会えるのすごい楽しみにしてきたんだよ。あれからすごい時間経ってたしさ。……そしたらなんだよ。お前ら昔のまま何も変わんないで話してんじゃん」
「いいことだろ」
「……正直羨ましかったよ。いつまでもくだらないことで盛り上がって」
「入ってくればいいだろ、輪の中に」
「だから年を取ったんだよ」
「同い年だろ」
何を言っても伏黒は淡々と正論を返してきた。
その通りなのだ。
伏黒の言う通りだ。
だけど、虎杖にはそれができない。
「俺達さ、もう超えちゃったんじゃないのか」
「何をだよ」
虎杖は、視線を少し泳がせた後、空になったグラスを見つめた。
昔、伏黒達と一緒にいた空間と今の空間は別物。
少なくとも虎杖にとっては、彼等との調子の合わせ方を忘れてしまった。
もう何年も前の話しだ。
虎杖のその言葉に、伏黒は口に含んでいた食べ物を飲み込み、酒を呷った。