第24章 【呪術廻戦】DOOR【2】
「相変わらずだな」
「うん」
「どうした、虎杖。具合悪いのか?」
「え、なんで?」
「元気が、ないように見えたから」
「そんな事、ないけど」
「なんかお前、変わったな」
「え?」
静かになったテーブル席。
二人は向い合せになるように座り、伏黒は冷めきった焼き鳥を口の中に入れた。
伏黒の隣では気持ちよさそうに夏油が眠り続けている。
「学生の時、お前が一番バカ騒ぎしてただろ」
「そう、だっけ……?」
「そうだよ。東堂さ……、東堂や五条……なんかと一緒になって」
「変わってないよ、伏黒がいうほど」
「いや、変わった」
自分が変わっていないと言うのに、伏黒は断固として虎杖の言葉を聞き入れようとしなかった。
実際虎杖は変わった。
学生の頃は、伏黒の言うように誰よりも馬鹿なことをして誰よりも騒いでいた。
それが今はどうだ。
誰よりも落ち着き払っている。
あの伏黒よりもだ。
自分が変わったなどとは思いたくはないが、確かに昔に比べればあまり馬鹿なことはしなくなった。
だけどそれは自分の性格や思考が変わったのではなく。
「年取ったってことだろ」
「年取った?」
「社会でてさ、いろいろあって疲れちゃったのかも」
年を取ってしまったせいで、子供の頃にはわからなかったことがわかるようになった。
見えなかったものが見えるようになった。
激動による変化に虎杖の身体はついて行けず、いろいろ精神的に大人にもなったし疲弊もした。
それがそう見えているだけなのかもしれない。
そう、虎杖は言った。