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【雑多】be there【短編集】

第30章 【ヒロアカ】Who killed Cock Robin【4】








その時だった。

商店街の方から大きな爆発音と共に何かが蠢いているのが見えた。
それが緑色のドロドロとしたヘドロだと気づいた時、緑谷は口元を抑えた。
なぜならつい先ほどまで彼はヘドロに捕まっており、それを助けてくれたのがオールマイトだった。
ペットボトルに詰めて警察に届けると言っていたのに、なぜここで暴れているのか。
緑谷は解かっている。
自分のせいで、今"こう"なっていると。

どうしよう。
助けなきゃ。
だって、僕は知っている。
ヘドロに捕まって暴れている中学生が誰なのか。
助けなきゃ。
わかっているのに。
なんで、なんで、なんで……。
身体が動かない―――!!

足はガクガクと震え、声は一つも出ない。
わかっているのに。
足を動かせば、手を伸ばせば、すぐに、救助できるのに。
だけど動かなかった。
いや、動くことができなかった。
その場所に縛り付けられているかのように、足一本、指一本、動かなかった。

結局、捕まっていた中学生―――爆豪勝己が暴れて暴れて、体力を消耗したヘドロが力尽きたことにより事件は解決した。
その場に居合わせたプロヒーローたちに称賛される爆豪は、憔悴しきってはいたが、どこか安心したように小さな笑みを零していた。





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