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【雑多】いつかどこかで【短編集】

第21章 【呪術廻戦】DOOR【1】






「なんか、この状況あの時と似てない?」
「あの時って?」
「ほら、高校の時に行ったキャンプ。あの時とそっくりだから」
「ああ!!あの時!!」

何かを思い出した西宮が声を張り上げた。
「そんなのやったかしら」と首を傾げる釘崎と真依に、二人は「ほら、あの時のさ。山にハイキングしに行こうって言って、でもすごい雨でさ」と話を続ける。
話を聞いていくうちに鮮明になっていく記憶に釘崎もまた声を張り上げた。

「思いだした!!あったわ、そんなこと!!」
「私たちさ硝子と大喧嘩したんだよね」
「ねぇ、私そこにいた?」
「いたよ~。硝子がブチ切れて私たちと別行動してさ。で、私たちは私たちでずぶ濡れになっててさ」
「ああ、思い出した。あったわね、そんなこと」

スピードを上げて盛り上がる思い出話。

「懐かしい~」
「でも山で遭難とか笑い事じゃないからさ一生懸命探したんだよね」
「電話しても出ないし、見つからないし」
「すっごい悲しくなってきてさ」
「みんなでわんわん泣いたよね」
「もう雨だと涙だか鼻水だかわかんなくらい顔ぐっちゃぐちゃにしてさ」
「ずっと泣き続けて、仕方ないから下山したんだよね」
「山の入り口でさ、警察に連絡しようかなって話してたら硝子のやつひょっこり現れて」
「「「「ただいまって言ったんだよね」」」」

4人の声が綺麗にユニゾンした。ゲラゲラ腹を抱えて笑って。
ひとしきり笑って目じりに溜まった涙を拭いた。



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