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【雑多】いつかどこかで【短編集】

第21章 【呪術廻戦】DOOR【1】






釘崎の姿を見つけた三輪は、大きく手を振って彼女の元へと走る。

「野薔薇ちゃん、久しぶり!!びっくりした、遊園地で会うなんて!!もしかして彼氏と?いいなぁ。私?私は、メカ……、幸吉……、夫が久しぶりの休みだから家族サービスだって言って張り切ってて。でも結局娘とはしゃぎまわって私一人取り残されちゃった。朝から大変だったよ。早起きして人数分のお弁当作って、来るまででちょっと疲れちゃった。娘も車の中で大はしゃぎして吐きそうになって、もう本当に大変だった~。あ、呼んでる。私カメラ係なの。普通逆だと思わない?うん、今すごく幸せだよ。じゃあ、また今度ね」




ザーッ。

チャンネルが変わる。
遊園地から日常の街並みへ。
歩道を歩く釘崎の後ろから硝子が大きな声で驚かした。









「びっくりした?似てる人いるなって思って後つけてきたの。全然気づかないから。ぼうっとしてた?疲れ溜まってんじゃない?うん?私は今会社の昼休みだよ。そうだよ、私これでも主任よ。ちゃんとやってるんだから。頑張ってるわよ、一応ね。恋人?いないわよ。強いていうなら仕事かな、なんてね。ねぇ、今度飲みに行こうよ。話したいこともたくさんあるし。絶対行こうね。じゃあ、また今度ね」



ザーッ。

チャンネルは切り替わることなく。
ずっと砂嵐のまま釘崎はそこに立っていた。

繰り返しリフレインする「また今度」という言葉に釘崎は寂しさを覚えた。



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