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【雑多】いつかどこかで【短編集】

第21章 【呪術廻戦】DOOR【1】







彼女たちは疑ってなどいない。
自分たちは「そう」なれると。
自分たちは、なんでもできる気がしていたしなんにでもなれる気がしていた。
そういう、「すごい女の子」だと思っていた。
だからこそ将来に、自分たちの未来を描くことができた。

「西宮ちゃんは?」
「私はね、魔女になりたい。箒に乗って、空を飛ぶの」
「絶対この前の金ロー見たでしょ、桃ちゃん」

硝子が西宮に振ると、けろっとした顔で言うものだから一瞬だけ空気が固まった。
魔女……。
何故に、魔女なのか。
それは三輪の言った通り先週の金曜ロードショーでジブリ作品の一つである、「魔女の宅急便」の影響が大きい。

「なれるもん」
「なれないよ」
「なれるもん!!」

今にも言い争いが起きそうな雰囲気が立ち込めるが、やはり硝子の一言がこの雰囲気を打破した。

「野薔薇ちゃんは?野薔薇ちゃんはなんて書いたの、将来の夢」
「私……?」

自分に振られるとは思っていなかったのか、釘崎は自分を指さし、そして俯いた。

「わかんない……」
「えー、なんで?もしかして作文書いて来なかったの?」
「私……わかんない……」

涙目になる釘崎に三輪や真依が声をかけた。
西宮の言う通り釘崎は作文を書いて来なかった。
いや、書かなかった、書けなかった。
書こうと思ってもペンが走らなかったのだ。
そんな彼女を見て硝子は少し考えたあと、口元上げて口を開いた。



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