第28章 【スイカ】かさぶた
次の日のことです。
スイカさんは、お友達のチョークさんのところへいくために歩いています。
その間何度も何度も深呼吸をして、気持ちを落ち着かせています。
チョークさんはどうやらフランソワさんという方のところにいるようで、スイカさんはフランソワさんの部屋の前に行くと緊張した面持ちで扉を見つめています。
そして意を決して手を伸ばした時でした。
「スイカ様」
勝手に扉が開きました。
中から現れた綺麗な方がどうやらフランソワさんのようです。
「そろそろ来られる頃かと思いました」
「チョークに、会いに来たんだよ……」
スイカさんは声を震わせながら裾をぎゅっと掴んでいます。
頑張れ。
大丈夫、大丈夫だよ。
スイカさんにエールを送っていた時でした。
遠くの方から「わんわん!!」とスイカさんを呼ぶ声が聞こえてきます。
振り返ると、尻尾をぶんぶんと回して走ってくるチョークさんの姿が。