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【雑多】いつかどこかで【短編集】

第20章 【ヒロアカ】Who killed Cock Robin【2】






【1年A組】



一体どのくらいの時間が流れたのだろうか。
轟は秒針の動かない時計に何度も目を向けその度にため息を吐いた。
休息をとったのはいいがあまり疲れは取れていないが、頭はすっきりとしている。
ホークスたちも今は静かに眠りについている。

寝起きだからだろうか、肌寒さを感じ腕を何度もさする緑谷に気が付き自分の"個性"を使って温めてやろうと思ったが、"個性"が使えないことを思い出し眉間に皺を寄せた。

その時だった。
隣に座っていた切島がそわそわと忙しなく動いているのに気が付いた。
緑谷もそれに気が付き「どうしたの?」と声を掛けると「いや、ちょっとトイレに……」と恥ずかしそうに答えた。

「1人になるのは危険だ。俺も行く」
「じゃあ僕も……」
「緑谷はここにいてくれ。爆豪たちが起きた時に俺たちがいなかったら心配するだろうから」
「……わかった。気を付けてね」

いつどのタイミングであの音楽が鳴るのかわからないが、少なくとも自分たちが寝ていた時は鳴っていないのは確実。
1人になった時に鳴るとは限らないのは相澤の時でわかっているが、それでも人数はいた方がいい。
轟は腰をあげると切島と一緒に教室を出て手洗い場へと向かった。

廊下にこびりつく大量の赤い液体には慣れないが、鉄の匂いにはとうの昔に慣れてしまった。
その事実に切島も轟もいいようのない気持ちを抱えながらも口に出すことはしなかった。



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