第20章 【ヒロアカ】Who killed Cock Robin【2】
「あの雷がランゴリアーズだってのか?」
「それはわからねえが、もし似たようなもんだとしたらこのメンバーがここに集められた共通点が分かるかもしれねえだろ」
「…………ランゴリアーズを模したって言うなら、何かヒントがあるはずだけど、でもあの映画だって保証はどこにもないわけだろ。でも仮にそうだと仮定して……」
唇に指を当ててブツブツと呟く緑谷にイライラを隠せない爆豪は今にも彼を殴りかかりそうな勢いだ。
こんな状況でも普段と変わらないんだな、と少しだけ平常心を取り戻した切島の耳に「もしかして、過去が関係してる?」と緑谷の声が聞こえた。
「緑谷、なんか言ったか?」
「もし仮に本当にその映画を模しているんだとしたら、僕たちが閉じ込められた共通点は"過去"なんじゃないかな」
「過去ォ!?アホかテメェは。過去にこいつらと接触した記憶なんざねえわ!!」
「そうじゃなくて、例えば"やり直したい過去"とか"忘れらない過去"とかそういった強い後悔だったり罪悪感だったり、そういった負の感情が僕たちをここに集めさせた原因なんじゃないかってこと」
緑谷の言葉に全員が黙りこんだ。
やり直したい過去、忘れられない過去。
あの時ああすればよかった、こうすればよかったと思うのは誰だって一度は経験のあること。
だからこそ、思い当たる節が彼らにはあった。