第17章 【爆豪勝己】触れたい、確かめたい。
「もう、不安になんてさせねえ。だからテメェも不安に思うな」
静かに涙を流す私の頬に、彼の熱くて骨ばって手が触れる。
あの日と同じ、優しくて温かい温もりから伝わる爆豪の思いに、私はまた涙を零した。
「今でもテメェが好きだ。俺と付き合え」
返事をしたいのに、私も好きだと伝えたいのに声にならなくて、嗚咽だけが漏れてしまう。
「泣くな」
「だ、だって……」
顔をあげると、爆豪がまっすぐに私を見つめていた。
滲む視界でもわかるほど、彼の顔は不安と緊張、そして愛おしさが入り混じった表情をしていた。
ゆっくりと近づく爆豪に、私も静かに瞳を閉じる。
目じりに溜まった涙がまた一筋零れたけど、気にしてなんていられなかった。
「今でも俺のことが好きなら、拒むな」
返事をする代わりに、私は爆豪からの口付けをそっと受け入れ、彼の身体をぎゅっと抱きしめた。