• テキストサイズ

【雑多】いつかどこかで【短編集】

第17章 【爆豪勝己】触れたい、確かめたい。







「もう、不安になんてさせねえ。だからテメェも不安に思うな」

静かに涙を流す私の頬に、彼の熱くて骨ばって手が触れる。
あの日と同じ、優しくて温かい温もりから伝わる爆豪の思いに、私はまた涙を零した。

「今でもテメェが好きだ。俺と付き合え」

返事をしたいのに、私も好きだと伝えたいのに声にならなくて、嗚咽だけが漏れてしまう。

「泣くな」
「だ、だって……」

顔をあげると、爆豪がまっすぐに私を見つめていた。
滲む視界でもわかるほど、彼の顔は不安と緊張、そして愛おしさが入り混じった表情をしていた。
ゆっくりと近づく爆豪に、私も静かに瞳を閉じる。
目じりに溜まった涙がまた一筋零れたけど、気にしてなんていられなかった。

「今でも俺のことが好きなら、拒むな」

返事をする代わりに、私は爆豪からの口付けをそっと受け入れ、彼の身体をぎゅっと抱きしめた。



/ 419ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp