第23章 【呪術廻戦】DOOR【5】
「オマエはこれからどうすんだよ」
「私?もちろん逃げるに決まってんだろ、どこまでも永遠に」
「はは、だったら俺と同じだ。どうだ?一緒に逃げねぇか?」
「は?」
「お互いに人質がいた方が逃げやすいだろ」
「……水風船のやつとか?」
「ああ。玩具のピストルのオマエと」
「あの。私も連れて行ってもらえませんか?」
「真依さん⁉」
突然の申し出に真希と甚爾は真依を見た。
「迷惑でしょうか、私が人質役では」
「何を言ってるんだ!!」
「支店長はここに残ってください。そして他の従業員やお客さんを解放してあげて下さい」
真依の言っていることを理解できない硝子だったが、銀行強盗の二人は笑って「いいんじゃねえの?3人で逃げようぜ」とその提案に乗っかった。
「どこまでも逃げようぜ。車に乗って空港まで行って。この金を使えばどこまでだって逃げられる」
「入り口には警察が集まって来てる。どうする?早く決めな」
「違うところから行こう」
「違うところ?」
出口は正面のここにしかない。
だが、真希は口角を上げ裏口へと回った。
従業員だけが使える出口。
「さぁ、行こうじゃねえか!!出口へ!!!!」
「EXIT」と書かれた扉のドアノブを回し、真希は勢いよく開けた。
次の瞬間、裏を張っていた警察の一人が真希に発砲をした。
弾丸は真希の胸を貫き、彼女はそのまま地面に倒れた。
遠い意識の向こうから騒がしい声が聞こえるが、徐々に何も聴こえなくなり、そしてゆっくりと瞼を閉じた。