第17章 【爆豪勝己】触れたい、確かめたい。
嘘でしょ……、そう言いかけた言葉を飲み込んだ。
だってあの爆豪が目を逸らして耳まで真っ赤に染めているんだもん。
嘘でも演技なんかでこんなこと言う人じゃないって知ってるから、知ってるからこそ夢じゃないんだって理解するのに時間がかかって、私は大粒の涙を零した。
「なんで泣いとんだ」
「だって、だって……嬉しくてっ……。爆豪が好きだから、夢みたいで……」
「夢じゃねえ。目ぇ覚ませや」
私の頬に手を伸ばし、未だに流れる涙を拭う爆豪の手は分厚くて、優しくて、温かった。
「爆豪、好き」
「ああ」
「大好き」
「わーっとる」
爆豪の背中に腕を回せば彼もまた私の背中に手を回した。
本当に夢みたいですごく幸せだった。
今までの一連の流れを影で見守っていた、というより盗み見していたA組B組の連中は、私達は抱き合った瞬間に「おめでとー!!!」と姿を現し、爆豪によって爆破され騒ぎを聞きつけた相澤先生とブラド先生によってこっぴどく叱られたのは言うまでもない。