第17章 【爆豪勝己】触れたい、確かめたい。
そして昼休み。
階段の踊り場へと行くと、既に爆豪はそこにいていつかの日みたいに制服のポケットに手を突っ込んで待っていた。
いざ返事を聞こうとするとどう切り出せばいいか分からないし、どうすればいいのかわからない。
気まずい時間と空気だけが流れている。
ドキドキと心臓が脈打って、比喩とかではなく本当に口から心臓出そう。
そんな私の緊張を知ってか知らずか、爆豪は静かに口を開いた。
「ここ数か月、ずっと考えてた」
淡々と話す爆豪は、頭の中を整理しながら話しているようでところどころ突っかかっていた。
珍しいこともあるんだな、って思いながら彼の紡ぐ言葉の一つ一つを聞き零さないように耳を傾ける。
「まどろっこしく、遠回りに言うのは、らしくねえ。だから単刀直入に言う」
爆豪はまっすぐに私を見た。
燃えるように赤い瞳には少しだけ緊張の色が見えたような気がした。
「好きだ、テメェのことが。俺と付き合え」
自分の耳を疑った。
まさか、そんなはず……だってあの爆豪が、私なんかを……。