第23章 【呪術廻戦】DOOR【5】
そして銃を手にしたのは、真希だった。
「これで元に戻ったな」
真希は近くにいた真依の腕を取る。
「悪いが、空港まで一緒に着いて来てもらおうか」
「真依さん!!」
伏黒が助けようと一歩踏み出すが、銃を突きつけられる。
「そこをどきな。……空港まで一緒にドライブしようじゃねえか」
「い、いやっ!!!」
人質として捕らえた真依のこめかみに銃口を当てる真希。
真依は無我夢中で暴れた。
人質になった恐怖もあったが、それよりも今銃口が自分に向いていることの恐怖が大きく、体を捩じり両手を大きくばたつかせる。
その勢いに押された真希は、思わず捕まえていた手を放してしまった。
気付いたら、真希の手に銃はなく代わりに真依の手に銃口が握られていた。
初めて触る拳銃の感触や先ほどまで捕まっていたこともあってかプチパニックを起こした真依は思い切り拳銃を放り投げる。
綺麗に弧を描いた銃は硝子の手の中に収まった。
「ナイスキャッチです、支店長!!」
形勢逆転と言わんばかりの空気の中、硝子はただ黙って手の中に収まる拳銃を見つめていた。
その間にも甚爾は人質として伏黒を捕らえていた。
伏黒の首にナイフを当て、「拳銃を捨てろ。かわいい部下が死ぬぞ」と脅すが、硝子は言う事を聞かずに、銃口を構えた。
「やめとけよ、支店長さん。アンタにはそんなの撃てねえよ。危ねえから、銃を捨てな!!」
甚爾の声の圧に、硝子は大きく肩を震わせた。
何度も生唾を飲みながら、銃を降ろす硝子。
その様子を見て甚爾は笑みを浮かべた。
が。