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【雑多】be there【短編集】

第23章 【呪術廻戦】DOOR【5】







その頃、街中の大型液晶ビジョンには臨時のニュースが流れていた。
銀行強盗が起きており、ピストルを所持した犯人は銀行員や客を人質に立てこもっていると。
人々はそのニュースに足を止め息を呑む者や、割れ関せずと言った様子でスタスタと歩く人達と様々な反応を示していた。

一方、銀行内では。

「珍しいこともあるんやな。アンタも驚いているだろうが、俺達だって驚いてるんや。まさか、二組の銀行強盗が鉢合わせるなんてな」

禪院直哉はニヤニヤと笑みを浮かべながら、地面に転がる拳銃を見つめる。

「ただ、拳銃しか用意せえへんかったアンタと苦労して"コレ"を手に入れた俺達との違いやっちゅうこっちゃ。金は頂いてくで」

そう言って直哉は真希の足元に置かれている黒いバックに近づき金を奪おうとした。

「悪く思うなや」
「ちゃんと手は洗ったか?汚ねえ手で触ったら金まで汚れんぞ」
「……なんやと、このアマ!!」

軽い挑発に乗せられた直哉は頭に血が上り、真希の腕を思い切り掴んだ。
ぎりっと骨の軋む音がする程強く握っているにも関わらず、真希は表情を一切変えない。
それがおもしろくない直哉は、彼女の頬を思い切り平手打ちをした。
衝撃で床に落ちるサングラス。
真希は鋭い眼光で直哉を睨みつけた。

「なんや。よく見るとなかなか別嬪さんやないの。……あんま舐めてることすると、殺すで?」
「……やめておけ」
「わかりましたよ、甚爾さん。よかったなぁ、姉ちゃん」

直哉は真希の顎を掴んだが、真希はそれを思い切り跳ねのけた。
そして直哉の頬を両手で包み込む。
急な接近に直哉の心臓は大きく跳ねるが、その手は徐々に下に下がっていき、彼の首を絞めあげた。




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