第23章 【呪術廻戦】DOOR【5】
「てめぇ、何してくれてんだ!!」
瞬間、従業員の横を弾が通り抜ける。
響き渡る悲鳴に、女は声を張り上げた。
「静かしろ!!撃ち殺されたくなかったらな!!」
"撃ち殺す"。
その言葉に、悲鳴を上げた彼らは嘘のように静まり返る。
泣きじゃくりながらも、口に手を当ててもしかしたら今度こそ銃弾が当たるかもしれないという恐怖に脅えて。
「駄目だろ、ちゃんと言う事聞かねえと。……オマエはいつまでぼうっとバック抱えてんだ!!早く金を入れろ!!あと、そこの男!!車を手配しろ。あ?なんでって、私が乗って逃げる為だろうが。いいから早く手配しろ。死にてぇのか。それからオマエ。警察に電話してさっきのは間違えて押したって言いな。早く!!」
そう言って女は腕時計を見た。
2時54分を示す針ににやりと口角を上げる。
もうすぐ3時だ。
「閉店の準備をしろ。シャッター降ろしてカーテンを閉めろ。急げ!みんなしっかりやれよ。生きたければな」
銀行強盗犯―――禪院真希は、その場にいる全員を見渡した後、銀行員数名を残し、他は一か所に集め縛り上げた。