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【雑多】いつかどこかで【短編集】

第3章 【爆豪勝己】盲目をつきやぶれ






エンデヴァーさん、バーニンさん、デク、バクゴー、ショート、そして私の6人は資料に目を通した。
先ほど塚内さんから聞いた内容とは別の内容が書かれ、それに私は思わず口を抑えてしまった。
被害女性たちは皆、犯人に喉を切られた後レイプされ殺されていることが判明した。
声も出せない状態で行為に及び、あまつさえ子宮を取り除くなんて。
想像しただけで気持ち悪くなってきた。
なぜ塚内さんが"囮"として私を指名したのか資料を読んでよくわかった。
被害女性の特徴と私の外見が酷く一致している。
長髪の黒髪、切れ長の瞳、そして体型。
出るところは出て締まるところは締まっている。
所謂、ボンキュッボン、グラマー。
気持ち悪い、本当に。
囮を引き受けた手前、やりたくない。
ずっと口を抑えている私を見かねたバーニンさんが「大丈夫?」と優しく声を掛けてくれた。
大丈夫だと伝えるがきっとそうは見えないだろう。
気持ちを落ち着かせるために大きく息を吸って吐いた。

内容は分かった。
次は犯人の特徴だ。
警察は既に犯人を特定しているようで、顔写真や名前、身長や体重、個性まで事細かに詳細が載っていた。

犯人の名前は司堂統児(しどうとうじ)。
個性は"支配"。
どういう条件で発動するかは定かではないが、相手に命令をくだせば個性を掛けられた人間は司堂の言う事を聞いてしまうらしい。

「……条件がわからなと対策のしようがねぇじゃねぇか」
「条件は触れることなのではないかと捜査で浮上したが、正直決定打になっていない」
「それが嘘でも本当でも浮上しただけありがたいです。わからないよりは警戒ができますから」

全て頭に叩き込み、私は静かに立ち上がる。
みんなの視線を感じながら「支度をしてきます」と言い残し所長室を後にした。


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