第3章 【爆豪勝己】盲目をつきやぶれ
その時、所長室の扉が勢いよく開かれ、その向こうにはインターン生3人が真剣な表情をして立っていた。
「すまん、パトロールの時間だっ……」
「話は聞いた。その護衛、俺にやらせろ」
「俺達、だろ」
エンデヴァーさんの言葉をバクゴーが遮る。
今の話し彼らに聞かれていたのか。
「悪いけど、君達に護衛は任せられない。話を聞いていたならわかるでしょう。学生の君達を危険に晒すわけには」
「ガキ扱いしてんじゃねぇ。そんな話聞いて、"はい、そうですか"って聞き分けいい犬になるつもりはねぇんだよ」
「それに護衛もあまり目立たない人物が適してますよね。僕達なら犯人に警戒されることもないと思います」
「……雄英体育祭で目立ってたでしょうが。特にショートとバクゴーなんて有名中の有名なんだから」
「変装すれば、なんとか……」
「逆に目立つからしない方がいいと思う」
彼等を巻き込むまいと反論する私だったが「分かった。お前たち3人とバーニンを護衛に回す。俺は目立つから後方支援に回ろう」とエンデヴァーさんが言い出し、所長の言葉に何も言い返すことができなかった。
結局、私の護衛はインターン生に任せることになり、自分の事よりもそちらの方が心配でならない。
こんな風に思っていること事態間違いなのは分かっている。
わかっているが、頭と心がバラバラで一致しない。
「……一つだけ約束、守ってくれる?」
「はい!!」
「はい」
「内容による」
「身の危険を感じたらすぐに逃げなさい。いいね」
子供の未来を守るのにこんなことしかできない歯がゆさを感じながらも、彼らの目指す未来の役に立てるならと期待してしまい、自分でもダメな大人だと感じてしまった。