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【雑多】いつかどこかで【短編集】

第16章 【ヒロアカ】Who killed Cock Robin【1】






そんな切島とは対照的に心操は冷静だった。
驚かなかったわけではない、あんなに大きな雷を聞いたのは久しぶり、いや初めてかもしれない。
ただ、驚いたのはそれだけではなかった。

「先生……」

心操は自分の震えそうになる声をなんとか抑え、ゆっくりとある方向に指を差した。
彼の行動を不思議に思い、相澤と切島は心操の指差す方へと視線を向け、そして自分の目を疑った。
彼らの視線の先、ステージから何かが流れているのが見えた。
ステージ下には水たまりができており、ぽちゃんと断続的に水滴が落ちる音が響く。

「お前らはここにいろ」

嫌な予感がした。
血の気が引いて言葉を失っている切島と心操を体育館の入り口に待機させ、相澤はステージへと走った。
水溜まりに指を滑らせ、匂いを嗅いだ。

鉄の匂いはしない、誰かの血ではないことは確かか。
もしこれが大量の血だったらその人物は一人しかいないと考えていたが、さっきの雷で雨漏りでもしたんだろう。
嫌な予感が消え自然と安どのため息が漏れた。



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