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【雑多】いつかどこかで【短編集】

第16章 【ヒロアカ】Who killed Cock Robin【1】






【ホークス組】



相澤たちと分かれたホークスたちは、食材がある食堂へと向かった。
4人の足音が響くだけで、校舎内は誰かが潜んでいるとは思えないほどとても静かだ。
いなくなった同級生のことが気になって仕方がないが、相澤たちが探しているならと割り切るしかなかった。
今の状況を理解できたわけではないが、幾分か冷静になっていることに彼ら自身気が付いていた。

「整理したいことは山ほどあると思うけど、今は腹ごしらえが優先。ただ、そう簡単に食料が見つかるとも思えない」

普段であればそんな懸念を抱いたりしない。
最先端を行くヒーローを育成するための名門校である雄英はセキュリティも万全で、いかなる理由があろうと侵入者を許さない。
だからこそ思う、血生臭い臭いが蔓延し廃墟同然の校舎にまともな食料が果たしてあるのか。
緑谷も爆豪も轟も、ホークスの言葉に返事はしなかった。
軽率な言葉は無意味だとわかっていたから。

いつ襲ってくるかわからないヴィランを警戒しながら、彼らは食堂へと辿り着く。
やはりここも、廊下や教室同様、至る所に赤黒いシミがいくつも滲んでいる。
充満する鉄の匂いと腐ったような生臭さが鼻の奥を刺激し、4人は思わず「うっ」と声を漏らし、鼻を覆った。

「くっせえ……」
「これは、食べ物があったとしてもほとんど腐っているだろうね」
「……とりあえず、食べられるものがあるか探しましょう」

あるわけがない、と思いながら緑谷に続いて3人はキッチンへと向かった。



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