第15章 【吉野順平】寂しさを口ずさむ
ここに、この場所に、私の隣に、君がいないってだけで、どうしてこんなにも景色が滲んで見えるのだろう。
誰もいなくなった病室。
私は真っ青な空を眺めながら口ずさんだ。
「Twinkle, twinkle, little star, How I wonder what you are」
きらめく、きらめく、小さな星よ。あなたは一体何者なの?
吉野くん。
"好き"の反対は"寂しい"だって言った事、覚えているかい。
だったら、"寂しい"の反対はなんなんだろうね。
やっぱり"好き"なのかな。
どうなんだろう。
どう思う?
吉野くん。
「さびしいよ」
君の回答、ずっと待ってるよ。