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【雑多】be there【短編集】

第22章 【呪術廻戦】DOOR【4】







「アナタは立ち続けることを諦めた」
「え……?」
「アナタは生きながらに死んでいた」
「オマエは一体……」

自分の心の内を見透かされ、夏油はこの時初めて焦りの色を見せた。
誰にも言ったこともない胸の内を、どうして目の前の奴は知っているのか。
それは夏油に"恐怖"を与えた。

「オマエは一体誰なんだ⁉」

不安や焦燥、恐怖、混乱などが一気に押し寄せてくる。
そんな夏油を見て"何か"はまた笑った。

「言っても分かんないと思いますよ」
「分からなくてもいい。誰なんだ」
「私の名前は……ウィンストン・レナード・スペンサー・チャーチル。第二次世界大戦時、イギリスの首相でした」
「本当かい……?」
「…………………………………嘘です!!!!」
「嘘をつくんじゃない!!本当の事を言え!!」

悪ふざけをする"何か"に向かって夏油は叫ぶ。
灰原といい目の前の奴といい、夏油を振り回すものだから少しばかり夏油は疲れてもいたし苛立ってもいた。
そんな彼の心境などおかまいなしに"何か"は夏油をまっすぐに見つめ口を開く。

「本当のことならアナタが一番よくご存知のハズだが……」
「え?」
「私はアナタの中にある"真理のYES"」
「真理の、YES……?」

真理のYESは言った。
大切なのは思い込むこと。
夏油は今国境を跨いでいることと同じことをしている。
どちらかを選ばなければいけない。
扉を超えるということは「GO」か「BACK」ではない。
「YES」か「NO」であることなんだと。

「YESかNO……」
「さぁ、アナタはどちらを選ぶんですか。アナタの昔の話を聞かせてください」






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