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【雑多】be there【短編集】

第21章 【ヒロアカ】Who killed Cock Robin【3】








真っ黒い"それ"に飲み込まれた爆豪は"それ"を振り払うように大きく腕を回した。
靄は煙のように散っていき、視界がクリアになる。

「……は?」

そして目に映る光景に爆豪は目を見開いた。
自分の目の前には顔を腕で覆い、身体を震わせ怯えている幼馴染の姿が。
顔を隠していても彼の大きな瞳が涙で濡れていることは分かった。
胸倉を掴んでいることに気が付いた爆豪は手を放そうとしたが、意思とは反し力が籠められる。

「ち、違うんだ……かっちゃん……。ぼ、僕はただ……」

一体何の話をしているのか理解できない爆豪。
何の話だ、そう口を開いた。
つもりだった。

「だったら、雄英受けんなや。クソナード」

しかし、思ってもいない言葉が飛び出し爆豪は驚きを隠せなかった。
彼の大きな瞳からはボロボロと涙が零れ頬を伝う。
身体を小さく丸めカタカタと震える彼の胸倉から手を放し、満足そうにその場を後にしようとした爆豪だったが、床に落ちている一冊のノートに気が付いた。

"将来の為のヒーロー分析NO.13"

表紙に書かれたその文字に、なぜか無性に腹が立って仕方がない。
身体の奥底から湧き上がる煮えたぎるような感情を抑えきれず、爆豪はそのノートを手に取った。

「それ……っ!!」

彼は慌てたようにノートを取り返そうと手を伸ばすが、それは大きな音と閃光に包まれ、爆破された。
そして、黒く燃えたノートは窓の外へと投げ捨てられる。




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