第14章 【五条&七海】死んだ方がマシだった【R18】
正直、全く気乗りがしない。
七海には無理やり女性を抱くような趣味はないし、それに何より自分の下で身を震わせているの女性の事を哀れだと思ってしまう。
出来ることなら冗談だと言ってを解放してやりたい。
が。
反対側のソファーに座り、鼻歌を歌いながら傲慢にこちらを見下ろしているこの男の機嫌を、損ねるわけにはいかないのだ。
さんには申し訳ないが、手っ取り早く済ませるしかない。
気にしていたらきりがないと、七海は思考をに集中させた。
首筋を擽るように唇を軽く這わせながら、の衣服をゆっくりと脱がせていく。
晒された平均的な体に、快楽を与える為だけの愛撫を施す。
「うぁ……、やっ、あ……っ」
頬を朱に染めたが控え目に甘い吐息を漏らし、身を捩る。
嫌悪感は別に感じない。
何とかなりそうだと七海は密かに安堵の溜め息を吐いた。
体表を優しく撫でる手。
痛みは全くなく、快感だけを与えてくるその行為に、は戸惑いを隠せない。
五条の暴力のような行為を想像していたは、七海の優しい愛撫についていけていなかった。
「ん、ふぅ……、んあ、んぅ……、んっ」
「気持ちいいですか……?」
頬や額に与えられる、宥めるようなキス。
まるで優しく撫でられているような、それでいて的確に快感を引き出していく手。
七海は決して酷いことはしてこないのに、の胸中にはジワリと嫌な感覚が広がる。
「可愛いですよ、さん……」
「……っ、あっ……」
耳元で甘く低く囁いた七海が、そのままの耳を舐め上げる。
擽ったさを伴った快感に、声さえ押さえられない。