第3章 【爆豪勝己】盲目をつきやぶれ
次の日。
いつものように出勤するとすぐにエンデヴァーさんに所長室に来るようにと言われた。
やばい、と思った。
結局昨日、少年たちとご飯を食べたあと私はそのまま部屋に戻って眠ってしまった。
やらなければいけないはずのデスクワークに一切手を付けることもなく。
きっとそのことでお叱りがあるのだろう。
バーニンさんにもあとでこってり叱られるに違いない。
そう思いながら内心びくびくしながら 所長室へ行くと、中にはなぜか塚内さんがいた。
「なんでここに塚内さんが?」
「今から説明する」
眉間に皺を寄せているエンデヴァーさんの声はとても重く、なにかの事件の依頼なのだと理解した。
塚内さんは言った。
約一ヶ月程前から若い女性ばかりを狙った連続殺人事件が頻発していると。
犠牲になった女性は全員、喉を切られ腹部を裂かれた状態で発見されているとのことだった。
「声を出させないために喉を潰している可能性がありますね。でもなんで腹部まで……?」
「抜き取られているんですよ、子宮が」
「……え?」
全身の肌が粟立ち戦慄が走った。
犯人の異常性に脳が追い付いていないのが自分でもわかった。
塚内さんは大きく息を吐いた後、「犯人逮捕の協力をお願いしたい」と頭を下げる。
エンデヴァーさんもどこか苦虫を嚙み潰したような表情で私を見ている。
つまり、そういうことか。