第14章 【五条&七海】死んだ方がマシだった【R18】
「で。はさぁ、この後のこと決まってんの?」
「え……」
「どっか売られんの?」
虎杖の言葉に、は詰まるしかない。
五条には男相手の売春をさせると言われてはいる。
が、だからと言ってそのまま答えるのは憚られた。
「虎杖君」
返答に窮しているを救ったのは七海だった。
「さん、すみません。しつこかったら言ってくれてかまいません。伏黒さん、虎杖君、仕事です」
七海の言葉に甚爾が無言で立ち上がり、虎杖が了解とそれに続く。
二人とも黒のスーツ姿だ。
「私はこの後五条さんと野田の事務所に行きます。多分今日中にこの仕事は片が付くでしょう」
「まあ大したしのぎじゃなかったですからね。じゃ、行ってきます」
虎杖と甚爾が扉を開け出ていった。
「さん、適当にしてていいですからね。寝ててもいいですし」
殆ど寝ていないでしょう、と言外に含まれた七海の言葉につい甘えてしまう。
「いいんですか?何か私ただの邪魔なような気がするんですけど……」
「気にしないで今は好きにしていてください」
清潔感のある優しい笑顔で言われては、張り詰めさせていた緊張感がどっと抜けてしまう。
本当に大丈夫なのかな……。
思いつつも、落ちてくる瞼の重みに勝てず、はソファーの上に倒れ込むようにして目を閉じた。
私、今日からどこに住むんだろう。
事務所に住まわせるって言われたけど……。
消滅しそうな意識の中にふと浮かんだが、睡魔には勝てずに考えは中断された。