第14章 【五条&七海】死んだ方がマシだった【R18】
「ま、どのくらいの付き合いになるか分かんねえけどさ。俺、虎杖悠仁。年も近いと思うしよろしくな」
「あ、です。宜しくお願いします」
笑って、虎杖がに右手を差し出し、は慌てて手を握り返した。
「ね。あー……で、あの椅子に座ってんのが甚爾さん。めちゃくちゃ強いし怖いから気を付けろよ」
指さされた男―――甚爾は、気にする様子もなく新聞を見ている。
は甚爾に向けてぺこりと会釈をし、テーブルを挟んで向かいに設置されているソファーに、虎杖に強制される形で腰掛けた。
そして虎杖がの向かい、甚爾と同じソファーに腰掛ける。
「でももやるよなぁ。五条さん普段はヘラヘラしてるけど半端無く怖いじゃん。よく口きけたね」
「いや、口をきいたって言うか……」
絶体絶命の弟を見て、とっさにそれしか無いと思っての行動だった。
暗い部屋、後ろのヤクザ、泣きじゃくる弟、そして、底冷えするような迫力のある五条。
今思い出しても嫌な光景だ。出来る限り二度と経験したくない。
……頼むから更正して。
現状からかけ離れたところにの思考が飛ぶ。
「だってさ、五条さんに身売りなんてしたら絶対バラされそうじゃん?俺だったら悩むね。つかオマエも運が悪いよな……」
確かに。
殺されても良い覚悟はあの時確かにした。
同業者から見ても五条は畏怖の対照らしい。
しかし、は自分は運が良かった方だと思っている。
例え気まぐれだったにせよ、あの日あの場所に居たのが五条でなけれは、弟は確実に助かっていなかっただろう。