第14章 【五条&七海】死んだ方がマシだった【R18】
バタンと後部座席の扉が開けられる。
中から降り立ったのは、棒付の飴を舐めているやや上機嫌そうな立派な体躯の男。
それに続き運転席から飛び降りた男は、頭髪が乱れるのを気にするふうでもなく慌てている。
涼しげな切れ長の目は、焦ったように見開かれていた。
「五条さん……!」
「七海ぃ、それ事務所に運んどいて」
「はぁ……⁉……五条さん何処に行かれるんですか?」
「硝子の店だよ。顔出せって言うからさ」
乱れていたスーツを整えながら夜の闇に消えていく五条を、言葉を発する事も出来ずに呆然と見送る。
ついで七海は、その長身を屈ませ開け放たれた後部座席の扉から内部を見遣った。
整った体に色々な体液と痕を付着させた女性が、大きく胸を上下させながらぐったりと伏せっている。
こちらにちょうど臀部が向いている状態で、未だぽっかりと口を開けた膣口からは五条が散々射精した白濁が流れ出て、大腿に放射線を描いていた。
―――有り得ない……。
七海は目頭を手で押さえ、深い溜め息を一つ。
その溜め息に反応したかのように、が顔だけ七海に向けた。
「……あの、すみません……。ティッシュか何か、貰えますか?」
目が合い、あははとが困ったような顔で笑う。
もう笑うしかないといった体のの顔は、平気そうな口調とは裏腹に耳まで真っ赤で。
微かに震えているその肩が、平然としているわけでは無いことを克明に物語っている。
「……事務所に行く前にシャワーで流したほうがいい。近くに知り合いが住んでるので、そこで借りましょう」
あまりのの風体に、七海は思わずそう提案していた。
「あ、……いや、そんな迷惑かけられません。拭くだけで大丈夫で……っ!!」
慌てて身を起こしたが、突然体をビクッと跳ねさせた。
両膝を合わせるように足を必死に閉じている。
……中に出された五条の精液が、動いた拍子に更に流れ出たらしい。