第13章 【ヒロアカ】Who killed Cock Robin【0】
暗闇から姿を現したのは、彼らの担任、相澤だった。
「相澤先生!!」
「お前ら!!」
見知った人に出会えたことで、緑谷の目にはうっすらと透明な膜が張った。
どうやら窓を割ろうと試みていた音が気になり、様子を見に来たらしい。
「まさか相澤先生も巻き込まれていたなんて」
「他の連中は見ましたか?」
「いや、俺のクラスではお前ら以外見ていない」
「俺のクラス……?ってことは他のクラスの奴もいるんだな?」
「ああ。心操とホークスさんもこの校舎の中にいる。2人とも無事だ」
その言葉に安堵するが、同時に不安も押し寄せる。
相澤は心操の訓練に付き合っていたらしいが、緑谷と同じく土砂降りに見舞われ、雄英に戻ろうとしたが、なぜか道に迷ったという。
雄英の敷地内でなぜ迷うのか疑問に思ったが、彼らをここに閉じ込めるためのものだとしたら妙に納得してしまった。
相澤はホークスたちがいる部屋へと案内するため、暗い廊下を歩く。
開かない窓、使えない"個性"のことは既に認知しているらしいが、突如と鳴った音楽に関しては何もわかっていないとのことだった。
「何が起きているのか俺もさっぱりだ」
深いため息を吐きながら、相澤は乱暴に頭を掻いた。