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【雑多】be there【短編集】

第13章 【ヒロアカ】Who killed Cock Robin【0】






「どうなってやがんだ、これ……」

"個性"が使えない、窓も開かない。
閉じ込められたと気づくのに、そう時間はかからなかった。
最悪の想定をするなら、もし近くにヴィランがいたとしても、"個性"が使えない今、戦闘はできないことだ。

「相澤先生みたいな"個性"を持ったヴィランの仕業なのかな」
「知るか。それより、早くここを出るぞ」
「出るって言っても、どうやってだ。傷一つつかねえ窓をどうやって壊すんだ」
「それを今考えるっつってんだろ!!」
「携帯!!携帯で救援を呼べば……」

ポケットに入れていた携帯を取り出し確認してみるが、圏外の文字が浮かんでいる。
異常事態に一体どうすればいいのか、ここから出る方法も思いつかないまま時間だけが過ぎる。
薄暗い廊下の先は真っ暗い闇が広がり、血に染まった校舎は気味が悪いほどの静寂で3人を飲み込んだ。

彼等が呆然としていると、不釣り合いなほど陽気なメロディーが流れ、校舎に響き渡り、それが一層彼等の不安を煽った。
状況を飲み込めない緑谷たちの心臓は大きく脈打ち、恐怖が身体の底から湧き上がる。

「なんなんだよ……」

流石の爆豪も動揺を隠せないでいた。
その時。

「誰かいるのか!?」

闇が広がる廊下の先から誰かの声が聞こえた。
身構える3人だったが、それはすぐに安堵の息へと変貌した。



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