第12章 【石神千空】プラネタリウム
それから月日が経って、私は中学を卒業した。
杠ちゃんと大木くん、そして石神くんは同じ高校に進学したと、杠ちゃんから聞いた。
私は家から近いと言う理由で女子高に進学した。
というのは建前で、石神くん以外の人を好きになりたくないから、っていうのが本当の理由。
「寂しくなるね、ちゃん」
「寂しくなんてないよ。だってずっと友達でしょ」
ぽつりと杠ちゃんが零した言葉に私は小さく笑った。
昔と違って会おうと思えばすぐに会える。
連絡だって簡単に取れる。
それに、私と杠ちゃんはずっとずっと友達なんだから離れていたって寂しさを感じることはない。
そうでしょ。
「ちゃん」
校門の前で一緒に写真を撮って、休みの日は遊ぼうねなんて話して、そろそろ帰る時間だねなんて言って別れようとした時。
杠ちゃんが私の名前を呼んだ。
「本当に、いいの?」
なにが、と聞かなくてもわかった。
私は小さく頷いた。
私と石神くんはただのクラスメイト。
それ以上でもそれ以下でもない。
流星群を一緒に見た仲なだけ。
冬休みが終わって学校が始まっても。私達の間で何かが変わったなんてことはなくて。
以前と変わらない日々が続いただけの話。
告白はしない。
そう決めたから。
大きく手を振って、またねと叫んで、私達はわかれた。