第12章 【石神千空】プラネタリウム
私達の遥か頭上では、一つ二つと小さな光が右から左へと流れていた。
「わぁ……、すごい……」
思わず零れた声は暗闇に消える。
プラネタリウムでは味わえない生で見る流星群に一気に心を奪われる。
プラネタリウムやアニメと違うのは、星が降るようには流れないし継続的ではないこと。
断続的だから、次に流れるのが何分後なのかわからない。
それでも、この瞬間に石神くんと流星群を見れたことが何よりも嬉しい。
今だけは彼は誰のものでもなくて、彼の嬉しそうな横顔は私だけのもので。
ちらりと石神くんを見ると、何かに思いを馳せているようなそんな表情をしていた。
彼にそんな表情をさせる人がいるんだと思うと羨ましくなる。
私にだけ向けてくれたらいいのにな。
長い時間私達は空を見上げていた。
流れる星一つ一つをただ黙って見続ける。
暫くそんな時間を過ごしていた時、私はふいに石神くんに声をかけていた。