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【雑多】be there【短編集】

第12章 【石神千空】プラネタリウム






気温は下がり続け、ホッカイロをお腹と背中に貼っていても、指先や鼻先は冷たい。
口を両手で覆い、息を吹きかけ少しでも暖を取る。
毛布に身を包み夜空を見上げる。
昨日よりも星空が綺麗に瞬いている。

「あー」

大きく口を開けて閉じる。
もぐもぐと動かしてごくりと飲み込む。
そういう遊び。
今度は右手を伸ばして大量のそれらを掴むと口の中に押し込む。
大きく咀嚼してゆっくりと飲み込む。
そういう遊び。

「なにしてんだ」

もう一度大きな口を開けて星を飲み込もうとした時だった。
後ろから石神くんの声が聞こえた。
私の動きは完全に停止してしまう。
昨日と今日で、なんでこんな恥ずかしいところを見られなきゃいけないんだ。
石神くんの顔なんて見れるわけない。
私は上を向いたまま芸術的な言い訳を考えるが、思いつくはずもなく。

「えっと………、星って金平糖みたいでおいしそうだよね」
「は?」

死にたい!!!!
もうやだ、帰る!!
羞恥心と黒歴史と一緒に消え去りたい。



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