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【雑多】いつかどこかで【短編集】

第12章 【石神千空】プラネタリウム






杠ちゃんの家を後にし、私は急いで家に帰るとお父さんのパソコンを拝借し、しぶんぎ座流星群の詳しい観測日を調べる。
どうやら今年は12月28日から1月12日まで観測できるらしく、ピークはやはり3日から4日の夜に迎えるらしい。
保険を取って2日から行くとして、果たして本当に石神くんはくるのだろうか。
舞い上がっていたけど、来る保証はどこにもなくないか。
杠ちゃんは「観測するって」とは言っていたけど、急に怖くなってきた。

いや、そんなことを気にしても意味がない。
その時はその時で、杠ちゃんに慰めてもらおう。

私の決意は固い。
ぎゅっと手を握って気合を入れた。

決断してからの私の行動は早いもので、流星群を観測する時に必要な物を物置部屋から引っ張り出し、ちゃんと使えるかどうかを確認する。
宇宙や星に興味を持ち始めたばかりの頃、両親に強請って天体観測をするために望遠鏡や一人用のテント、寝袋などを諸々買ってもらった。
望遠鏡は部屋に置いてあるから使えるとわかっているけど、テントと寝袋は一度出して干さないといけない。
物置部屋のクローゼットの奥で眠っていたから、匂いがお線香のような防虫剤のようなとにかくいろんなものが混ざった匂いがした。
田舎のおばあちゃんの家にいるみたいで私は落ち着いて嫌いじゃないけど、もし石神くんが近くに居たら流石に……。



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