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【雑多】いつかどこかで【短編集】

第12章 【石神千空】プラネタリウム






「で、千空くんには渡せたの?」

プレゼント交換が終わった後、私は杠ちゃんの家に遊びに来ていた。
杠ちゃんの言葉に私は何も返す言葉がなく、クッションを抱きしめる。
結局私は、石神くんにそれを渡すことができなかった。

「千空くんの誕生日に渡す?」
「無理。そっちの方が絶対に無理。なんで知ってんだって引かれると思うし、そんなの気持ち悪いじゃん。それにさ、石神くんのことだから持ってるかもしれないし、こんなの貰ったところで何って感じだし、持ってなくても石神宇宙飛行士からもっといいもの貰ってるだろうし、中学生のお小遣いで買えるようなものとは比べ物にならないじゃん。そう思ったら渡せるわけないしさ、じゃあなんで買ったんだってなるし、ほんとなんで買ったの?あの時の私浮かれすぎじゃない?」
「ワオ。すごい早口」
「………………根性なしは恋愛しちゃいけないのかなぁ?」

テーブルに突っ伏してわんわん泣いていると「そんなことないよ」と慰められた。
杠ちゃんは優しいから、否定するようなことは絶対に言わない。
今だって「そうですな~」とか言って、最善策を考えてくれてる。
泣きそう。
杠ちゃんの優しさと人の良さに触れて。



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