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【雑多】いつかどこかで【短編集】

第12章 【石神千空】プラネタリウム







全員くじを引き終わり、1番から順番にプレゼントが渡されていく。
私の番はすぐに来た。
掌に収まるくらいの小さな袋だった。
指の腹で撫でれば硬い感触が伝わってくる。
キーホルダーか何かだろうか。
中身を確認したいけど、一斉に開けると言っていたからまだ我慢。
クラスメイトも「何だろう」とか「自分の当たった気がする」とかそんな会話が飛び交って、どんどん賑やかになっていく。

一番最後にプレゼントをもらいに行ったのは石神くんで、残っていたものは少し大きな箱で、明らかに私の物とは違う。
やっぱりそううまくいくものじゃないよね。
できれば石神くんのは私に、私のは石神くんに渡って欲しかった。
ああ、でもあのシャープペンシルを貰ったら「使いづれえな」とか言うんだろうか。
それはそれで見て見たかったかも。

「みんなにプレゼント渡ったか?じゃあ開封しようか!!」

先生の合図とともにクラス全員、プレゼントの中身を確認する。
ハードカバーの小説、お菓子の詰め合わせ、面白グッズなど様々なものに教室は先ほどよりも騒がしくなる。
私の土星のシャープペンシルはクラスで1、2を争う陽気な男子の手に渡った。



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