第12章 【石神千空】プラネタリウム
先生の説明など一切聞いていなかった私は、急に机の置かれた紙を見て頭にハテナマークを浮かべる。
「その紙に自分の出席番号書いてだって。それをまた集めて引かせるんだって」
前の席の子が教えてくれた。
成程、いわばくじ引きみたいなものか。
確かに輪になってBGMに合わせてってなると、誰が誰のプレゼント持ってるか分かるんもんね。
そうして、準備が全て整いいよいよ本格的に交換会が始まろうとしていた。
石神くんは何を買ったんだろう。
できれば石神くんが買ったものが欲しいけど、そんな都合よく上手くいくわけがないから、期待しないでおこう。
順番にクジの入った箱から紙を取り出す。
プレゼントにも番号が振ってあるが、これは先生が適当に番号を振ったたため、出席番号が必ずしもその人のプレゼントというわけではない。
だから例えば私が私の出席番号を引いたところで、私のプレゼントと交換というわけではない。
「杠ちゃん、何番?」
「17番だよ。ちゃんは?」
「3番。誰のくるかドキドキするね」
「ふふ、そうだね」
何かを含んだような笑みに私はむっと唇を突き出すと「ごめんごめん。かわいくてつい」と彼女はまた笑った。
かわいくないし、今だって杠ちゃんに嫉妬するような醜い人間だよ。
なんて思いながら、私は3番と書かれた紙をぎゅっと握り締めた。