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【雑多】be there【短編集】

第12章 【石神千空】プラネタリウム






結局私は、ギリギリまでプレゼントを悩んだ末、プラネタリウムのお土産コーナーで売っている土星のシャープペンシルを買った。
他にも木星や金星、海王星などのペンがあったけど一番わかりやすい土星にした。
レジに買いに行こうとした時、ふと目の端にそれは映った。

『千空くんになにかあげたりしないの?』

杠ちゃんの声が脳内に響いた。
いや、いやいや。
無理だって、だってこんなの貰っても嬉しくないじゃん。
私は嬉しいけど。
いや、でも石神くんだよ。
もう持ってるかもしれないし、それに石神くんはもっとすごいの作ってるわけだからこんなの作っても彼にメリットなんてないわけで。
違う、そうじゃなくて。
私がただ勇気がないだけで。

五月蠅く鳴り響く心臓、じっとりと濡れる掌、うまくできない呼吸。
緊張する意識の中、私はそれを手にした。
もし、これを貰ったとして果たして彼は喜んでくれるだろうか。
そもそもただのクラスメイトからこんなの貰ってどう思うんだろうか。
杠ちゃん、助けて。
私は一体どうしたらいい?

泣き出してしまいたくなる感情を抱きながら、私はシャープペンシルとともにそれをレジに持って行った。



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