第18章 【呪術廻戦】DOOR【2】
公共の場である居酒屋で下品な話題で盛り上がる彼らを虎杖は、一歩離れたようなそんな場所で客観的に見ていた。
でっちあげた性癖を暴露したりする彼らをみっともないと思いながら、だけどその輪の中に入りたいような入りたくないような、そんな矛盾を虎杖は抱えていた。
あの頃とは違う。
自分たちは大人になった。
大人になったから、ちゃんとしなければいけない。
ぼうっとそんな風に考えていた虎杖の目に、テーブルに突っ伏す夏油の姿が映った。
珍しく酔いつぶれた夏油に五条は目を丸くした。
それなりにハイペースで飲んでいた上、みんなと会えた事が嬉しかったのかいつもはセーブするはずなのに、抑えが聞かなかったようだ。
顔を真っ赤にさせた夏油は、規則正しく寝息を立てている。
「珍しい。傑が酔っぱらうなんて」
と、五条がいうものだから相当珍しいのだろう。
「嘔吐しないだけましだな」
「それはお前だろ、葵」
「何を言っているんだ、俺は吐いたことなど一度も無いぞ」
「嘘だね。僕が何度お前を介抱してやったと……」
「それは五条も同じだろ……」
ぎりっとにらみ合う二人。
そしていつの間にか飲み比べが始まった。
生ビール二杯を一気飲みする二人だったが口元を抑えトイレへと駆けこんだ。
その様子をずっとみていた伏黒と虎杖は深いため息と乾いた笑みを浮かべたのだった。