第18章 【呪術廻戦】DOOR【2】
「私ぃ~、みんなに~連絡するの大変だったんだよぉ~」
「そのキャラはなんだ五条。気持ち悪いな」
「他の人も葵だけには言われたくないだろうね」
「すみませーん、お冷一つ!!」
伏黒が叫んだ。
その様子を虎杖はケラケラと笑いながらも、どこか客観的に見ていた。
「傑さん、連絡とるの大変ってどういうこと?」
グラスを傾けながら、虎杖は先ほどの夏油の発言で気になった個所を拾った。
「この前機種変をしたんだけど、バックアップを取るのを忘れてね。ラインの履歴も友達も全部なくなってしまったんだよ」
「うわ、悲惨……。でもマジでよく連絡とれたね」
「俺の力を見くびんじゃないよ‼」
「うわ、急に大声出すなよ……」
ガタンと勢いよく立ち上がった五条は、夏油の側に座ってケタケタ笑いながらおつまみを頬張る。
どうやら五条のおかげでこうして集まれたらしい。
五条はずっと笑っている。
なにがそんなに面白いのかとそんな目で見ながらも、でも五条の気持ちはわからなくもなかった。
五条のように表には出さずとも、みんな心の中ではテンションは上がっていた。
あの伏黒でさえも。
そして誰かが言った。
「今、みんなは何をしているのか」と。
近況報告のようなそれに、どこからどこまでをどう話そうかと、アルコールで鈍る脳ミソをぐるぐると回し、話の手順を組み立てる。
最初に口を開いたのは五条だった。