第18章 【呪術廻戦】DOOR【2】
ガヤガヤと、うるさいそこは。
どこにでもあるような居酒屋の店内だった。
テーブル席には見知った顔があって。
虎杖はその場所へと歩を進めた。
それぞれが頼んだお酒がテーブルの上に置かれる。
音頭を取ったのは五条だった。
「えー、再会を祝しまして……乾杯!!」
乾杯、と4人も声を合わせた。
ぶつかるグラス同士の音が響き、グラスを大きく傾ける。
ごくごくと鳴る音と共に、アルコールが全身に回る。
ぷはっと息を吐いて濡れた唇を拭った。
「でも、よくみんな集まれたね」
と、夏油が4人の顔を見渡しそう言った。
「何年ぶりになるんだ?」
「7年ぶりだよ、7年!!」
テンションが上がっている五条は伏黒の肩に腕を回した。
五条の頬は既に赤く、目は蕩けている。
グラスは3分の1程度しか減っていないと言うのに、この男は既に酔っぱらっていた。
「五条は酒が弱いのか」
「あー、うん。下戸だから普段は全然飲まないしソフドリばっかりだけど、今日はみんなに会えるからって舞い上がってるみたい」
「夏油さん、この人どうにかしてください」
「あはは、ごめん無理」
生ビールを半分以上飲みながら東堂が夏油に尋ねると、困ったような表情をしながら夏油はそう言った。
伏黒もまた引っ付き虫である五条のウザがらみに耐え兼ね助け船を出したが即答で却下された。
五条をどうにかできる人間は、この中で夏油しかいないというのに、その男が匙を投げたらおしまいだ。
伏黒の目は一気に生気を失くした。
そんなのお構いなしに、五条は伏黒の腕に自分の腕を絡ませながら、まるでぶりっ子な彼女のように頬を摺り寄せる。